商品企画とは

今日は商品企画について、説明したいと思います。

商品企画は
(1) 顧客に受け入れられる 
(2) 競合に勝つ 
(3) 利益を確保できる   の3つの要素が必要です

コンサルティングをしている現場では、競合企業との競争ばかりに視点がいき、顧客を忘れた商品企画を立案するケースが意外と多く見受けられます。

顧客を忘れた企画の製品が売れるはずがありません。特に高度成長時代は企業のご都合主義で考えたプロダクトアウト的製品が売れましたが、今のデフレ環境では顧客の潜在・顕在ニーズを満足し、顧客が製品を使う事により、ある価値を提供できる製品が必要になっています。

最近の家電製品では羽根のないダイソンの扇風機、部屋を自動で掃除してくれるロボット掃除機ルンバのような顧客になんらの価値を提供できる製品がヒットしています。

小さい子供がいる家庭では羽根のない扇風機は安心、安全の付加価値を生みますし、掃除ロボットは忙しい共稼ぎの主婦にとっては、掃除の手間を省いてくれるありがたい存在です。

顧客が何に困っているかを知り、顧客の困り事を解決する事が、顧客のニーズに対応する事になります。

また、顧客のニーズに対応した製品のセールスポイントは
(1) 見てわかる 
(2) 使ってみてわかる
(3) 使い終わってわかる
の3視点で思考してみるとわかりやすいと思います。
身の回りにある製品をこんな視点で考えてみるのも面白いと思います。

コンサルティングノウハウ

今日は息抜きのブログを書きます。
5年前ほどから2ヶ月に1回、歯のクリーニングをしています。今日もその日だったのですが、今日の歯科衛生士さんの対応に非常に感激しました。

何に感激したかというと、まず誉められた事です。前回の私の歯の磨き方が悪く、歯にクラーク(食べかす)がかなりついていたのですが、歯の磨き方の指導を受けて、2ヶ月
かなり丁寧に磨きました。その結果、非常にきれいになっていると誉められ、かつその歯科衛生士さんが「こんなにきれいになっているなんてうれしい」との発言が・・・。
人は誉められるとうれしいもんです。

今日のクリーニングもまず、歯と歯茎をチェックした後、現在の良い部分と問題箇所を手鏡を私に渡して説明、クリーニング後にまた、その状態と今後の歯磨きの方法を丁寧に説明してくれました。

これが、二番目に感激した内容です。単にクリーニングをするだけではなく、患者サイドにたって、色々指導をしてくれます。

歯医者に行くのは普通、そんなに楽しい事ではないのですが、これからは楽しみになりそうです。

ところで、よく考えてみるとこの歯科衛生士さんは患者に丁寧なコンサルティングをしてくれているようです。

患者の現状分析をして、問題をみつけ、説明、改善し、その後の患者が自立的に課題を解決できるようにフォローアップの指導もする。
また、患者がやる気になるように誉める事も忘れない。
まさに、我々の職務の優秀な経営コンサルタントのようです。

見方によって、いろいろな所でコンサルタントノウハウを発見できるのはうれしいですね。

マンネリからの脱却

今日は組織改革ついてお話したいと思います。

以前、ブログに書きましたが、

経営マネジメントとは

①戦略の改革 ②組織構造・仕組改革 ③人事・教育改革 ④組織風土改革です。

この中で、企業は定期的に市場環境の変化への適応と組織のマンネリを防ぐ為に、

組織構造改革を定期的に実施する必要があります。

ところがいざ、この組織構造改革の議論をすると、反対意見が色々でます。

組織を変えたら、以前に対して売上が下がったらどうしよう。

利益が上がらなかったらどうしよう。

適切な人材がいないというように。

しかし、組織改革は現状の組織が機能不全になっている、

新たな市場環境に適応しない、何十年も同じ組織の為に業務がマンネリ化している、

というような問題を解決する為に実施されます。

言い換えると組織改革は「変える事に意味」があると考えるべきと思います。

当然、新しい組織にする時は、

その組織改革の狙い、各部門組織の役割、ミッション、職務分掌等を整備し、

組織構成員に変革の意味を周知徹底する必要があります。

皆さんの組織でも、組織変更の意味、必要性を十分、考えてみてください。

在庫に対する意識

今日は在庫について、書きたいと思います。

皆さんの会社で在庫はどんな意識で捉えられているでしょうか。
トヨタでは在庫がある事は悪と考えよと教育されます。

在庫は現場で製造されたものが会社にストックされていて、お金、キャッシュに変わっていません。また、現状のデフレ環境下では、在庫は瞬く間に陳腐化して、販売できなくなります。
高度成長時代の環境では大量に在庫を持っていても、いずれは販売でき、問題なかったものが、現在では、在庫が生鮮食料品化して、瞬く間に廃棄しなくては駄目な状況になります。
以上の観点から、結果として、在庫は会社のキャッシュフローの悪化をまねきます。

トヨタのジャストインタイム(JIT)が米国で変換されたサプライマネジメント(SCM)経営手法では、このムダな在庫を削減する為に企業間の三つの流れの改善をとなえています。
①顧客⇒企業⇒調達先間について情報の流れの停滞改善
②調達先⇒企業⇒顧客間について部品、製品の物の流れの停滞改善による在庫の削減
③顧客から製品を販売した結果によるすばやいキャッシュの回収

考え方としては「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」生産し、顧客に届け、在庫を限りなく削減する思想です。

良く、例えで言われるのは、屋台のラーメン屋です。当日に販売する食材とスープを仕込み、顧客の注文を受けてから、麺をゆで、スープをいれ、具材をいれ、完成させて顧客に出します。材料が全て無くなれば、看板を下ろします。在庫はまったく残しません。

企業ではなかなか、屋台のラーメン屋のようにいきませんが、究極目指す姿は部材在庫、仕掛在庫、完製品在庫が限りなく、少なくなる仕組を、その企業の業態の特性に合わせて考えるべきと思います。

皆さんの会社では在庫削減の為の取組をされているでしょうか。是非検討してみてください

組織風土改革に必要なポイント

組織風土について、最近、コンサルティングの現場でよく話がでます。経営課題は環境変化に応じて変化しますが、会社組織の皆さんが能動的にやりがいをもつて、ベクトルをあわせて、働く為にはどうしたら良いのかという組織風土の課題は定常的におきます。

今日はこの課題について、お話をしたいと思います。

まず、組織風土の定義ですが、このように考えています。

組織風土とは個人が認識する固有的な組織の特性で、組織の共通の価値観として個人の行動を規制する働きをもつもの。

わかりやすくお話すると、個人が集まった組織体が長年の歴史の中で、自然に共通の価値観を作り出し、この価値観で行動するようになることです。

例えば、トヨタの組織風土は、仕事は「業務+改善」と全員が考え、常に仕事をしながら改善をする事が当り前になっています。共通の価値観が「改善をし続ける」事です。

この組織風土はその会社のおかれている業界、顧客、経営者、製品、歴史等様々な因子で形成されます。トヨタのように良い組織風土ならば問題ないのですが、組織のベクトルが悪い方向に向くような風土では改善が必要になります。

そこで組織風土を改善する為にその構成要素を考えてみました。
①共通の価値観
組織が同じ方向に向かってベクトルをあわせて行動しようとする感情
②同一の危機感
どんな状況でも、常に現在と将来に対して危機感をもち、一層の改善を実現しようとする感情
③自信と信頼
自分の持っている能力を信じ、他人の持っている能力を信頼し、仕事をする感情
④感謝の気持ち
自分達が現在の状況でやっていけるのは他者から受けた支援の結果であると気付き、常に感謝する気持ち、感情
⑤高い欲求水準
今どのような状況であろうとも、その状態に満足することなく、常に自己を律しながら目指す姿を達成しようとする感情

皆さんの会社の組織風土について、この要素にあてはめてみて、問題を探り出してみてください。

海外進出のステップ注意点

今日は海外進出のステップと注意点について、説明したいと思います。

現在、国内がデフレ経済で需要が減少している中で、海外に進出する企業が増加しています。取引先の要請、国内の売上補完、コストダウン、市場拡大、人材活用等色々の海外進出する狙い、背景があります。この時のステップと注意点について解説します。

1.海外進出の前提条件の検討
1) 海外進出する目的、狙いを明確化する
2) 海外進出するフェーズの検討をする
(1) 第1フェーズ  製品の輸出
(2) 第2フェーズ  現地生産  
(3) 第3フェーズ  現地販売
(4) 第4フェーズ  現地開発
3) 投資額と回収の見込み検討
4) 利益回収方法の検討
配当金、ロイアリティ、内部留保等の検討をする

2.進出先の選定
1)海外進出の目的にあった進出先検討

2)進出先の国民性、賃金上昇カーブ確認

3)カントリーリスク等の検討

3.進出形態の検討
1)レンタル工場レベル、建物を賃借、工場を一から建設等のように進出形態を検討する

2)合弁か独資かの検討が必要だが、株主の経営に対する思想、意志が整合しないと合弁会社は運営が非常に難しい

4.生産拠点の設立
1)工場建設、工場の内装、外装工事等の契約は必ず書類で実施する。口頭契約は揉め事の元
 

2)建設図面で詳細な打合せを実施する

3)検収時は細部まで確認する。手抜工事は当り前と思うべき

5.組織機能、仕組について
1)基本は日本の工場をマザー工場として、日本の仕組、システムを移転する前提で組織機能、仕組みを作る

6.組織体制と人材について
1)基本は性悪説で組織を構成する

2)日本人の経営者、スタッフ⇒ローカルの経営幹部、スタッフ⇒ローカルの作業者の組織体制を作る

3)金銭に関わる仕事はできるだけ日本人スタッフで実施する

海外進出の検討は製造業にとって、必須になりつつありますが、成功する為には基本のステップとそのポイントを守りながら、スピードをあげた行動が必要だと思います。

次回は工場運営、労務管理、国別事情を説明したいと思います。

超一流が大切にしていること

今日は一流とは何かを考えてみたいと思います。

先日、羽生善冶 名人のある名言を知りました。
「三流は人の話を聞かない。二流は人の話を聞く。一流は人の話を聴いて実行する。超一流は人の話を聞いて工夫する。」

私も経営コンサルタント業を22年経験し、この言葉は非常にしっくりきます。

私の仕事でも大切な事は
① 人の話を聞く事
② 人の話の中に本質的な問題点を見つけだす事
③ 問題を解決する改善案を検討する事
④ その改善案を実行に移す事
⑤ 実行した結果のレビューをする事
の5段階です。
まさに、「超一流は人の話を聞いて工夫する」事です。

この5段階を実行する為には「人の話を聞く為の謙虚さ、物事の本質を見極める思考能力、問題を解決する知恵、工夫、実行の為の行動力、執念」の姿勢が必要です。

クライアント先の経営者でも、一緒に仕事をさせていただいて、感銘を受ける経営者は、羽生善冶 名人の言葉の「超一流は人の話を聞いて工夫する」を実行されています。

この考え方は我々のようなコンサルタントだけではなく、社会人として人生を成功させたい方にも共通する考え方だと思います。

皆さんもこの言葉を是非実行してみてください。